澄み渡る空のように。

自由を求めて。その先にあるものを探して。

私の転機/仕事を辞めたい人に捧ぐ

これまでの人生の中で、小さな転機はたくさんあった。

でも、自分の中で一番大きな転機は『転職』だ。
これは間違いない。

私の新卒の頃を話そうと思う。

新卒で採用された会社は

入社当時は、自分は誰よりも頑張ろうと思っていた。

毎日誰よりも早く出社して雑務処理をしていたし、深夜遅く帰っても業界の勉強をしていたし、積極的にいろいろな提案を出していた。

それでも、ほとんどが報われずに終わったと思う。
報われなければ報われないほど、さらに頑張ったが、空回りするだけだった。

上司とのコミュニケーションがほぼなかったのが一番の原因なのだと思う。
上司も多忙で神経をすり減らす仕事をしている中、そのような余裕がなかった事が伝わってきた。

結果、難解な仕事を教えてくれることもなく、全部自分で何とかしなくてはいけない状況だった。
上司の機嫌で左右され、常に顔色を伺って仕事をしなくてはいけなくなった。

気づけば、私は上司とまともに話すことはなくなっていた。

いつしか、仕事が辛くて仕方なくなり、検索履歴は『仕事 辛い』だったり『仕事 辞めたい』という文字で埋め尽くされていた。

そんな中、一つだけ支えがあったのは同期の存在だ。

仕事の時間もそれぞれ違うので、普段会う機会はほとんどないが、数ヵ月に一回のペースで同期と集まれる機会があるのだ。

話すことはみんないつも同じだった。
「上司と上手くいっていない」「どうすればいいかわからない」「仕事を辞めたい」という内容だ。

それを聞いてお互い自分だけないと少し安心し、頑張ろうという気持ちになる。
そうやって同期でお互いに傷を嘗めあいながら、常にギリギリの部分で仕事を続けていた。

自分の人生、このままでいいんだろうか?

毎日夜遅くまで仕事をして、疲れ果てて、休日はただ一人で一日中寝ているだけ。

自分人生のほぼすべてが『仕事』と『睡眠』。

これで『仕事』が楽しくて好きだったら、それでも良いと思う。でも、そうじゃなかった。

ひたすら辛いと思う仕事を、毎日毎日毎日繰り返すだけ。
スーツに着替えるのが辛い、玄関を出るのが辛い、仕事に向かうのが辛い、職場に入るのが辛い。
辛い。辛い。辛い。

この辛さはいつまで続くんだろう。定年まで続くのかな。
定年っていつだっけ?60歳?30年以上も続くの?

『頑張っていればいつかきっと』なんて思っていたけど、本当にいつかは来るのか?

辛い思いをしてまで、この世の中で生きている価値はあるんだろうか。

もう、これ以上続けることは無理だと思った。

そして、辞めることを決意した。

封筒と便せんを購入し、退職願を書いてカバンの中に入れた。

これでいつでも解放される…と思ってたけど、渡すタイミングがわからないんだよね。
上司に声をかけるタイミングもなかったし、話しかけづらかったし。

勇気を出して話しかけても、「相談したいことがあるんですけれども、お時間よろしいですか?」の一言が出てこず、ただの業務報告で終わってしまったりね。
でも、言わなきゃ何も始まらないし、なにも終わらないんだよな。と思って、勇気を出してようやく伝えることができた。

退職願を書いてから一週間以上も経っていた。

そのまま本部に退職の処理をしに行った。
今までお世話になっていた人事部の人が最後の対応をしてくれた。

「そっか、君には残ってもらいたかったな…」

自分だって残りたかった。

残って頑張って最前線で活躍したいと思っていたし、お世話になった人たちに恩返しもしたかった。
まだやったことのないいろいろな業務も経験したかったし、同期と一緒に会社をもっと良くしていきたかった。

でも、自分にはそれだけの体力も精神力もなかった。

悔しくて、寂しくて、辛くて泣いてしまったのを覚えている。


最終日に店の人たちが送別会をしてくれた。

数ヵ月の間にあったことをいろいろ話した。
会うことになるのは、おそらくこれで最後となるが、しんみりした感じでなく、楽しく過ごすことができた。

最後の最後でやっと打ち解けられたと感じた。

そのあと、メールで同期に挨拶をした。
最後に交わした言葉は「お疲れさま」という温かい言葉だった。

真夜中の帰り道。今でもこの日の帰り道の感覚を覚えている。
涼しげな空気、静寂に包まれた道、樹の香り、綺麗な星空。

今まで何も感じることのできなかったただの通り道が、この日だけは違った。

全てから解放された日だった。

それからの自分。

あれから数年が経った。

今の私は天職とも思える仕事に就いている。
忙しい日も多いし、あの頃よりも給料が減ってしまったが、毎日楽しく仕事ができている。

休日は家族や友人と一緒に過ごす時間が増えて、今まで行ったことなかった場所に行くこともできたし、今まで体験したことないような楽しい経験もたくさんできた。いろいろな人たちと出会い、毎日が充実している。

あの時の自分は何だったんだろう。

必死に努力してもがいて、それでも上手くいかなくて、毎日が辛くて。
今の私はその生活に戻ることはできないだろう。

でも、これだけ言える。
「辛い事ばかりだったけど、良い思い出だったな。」と。

あの出来事があったから、今の幸せな自分がいるわけだし、自分という人間を大きく成長させてくれた。

今では、以前勤めていた会社に感謝すらしている。

でも、それは今の自分が幸せだから。
幸せを感じる余裕があるからそう思えるんだと思う。

仕事を辞めたい人に捧ぐ

新卒で入社して数か月で、心から辛い思いをして辞めたいと思っている人たちはたくさんいると思う。

もしかしたら、「数ヵ月で辞めるなんて根性がない」とか、「最低でも3年は頑張ってみなよ」とか、周りの人は言うかもしれない。

でも、それはあくまでも周りの人の意見。自分自身が感じている辛さを知らないうえでの意見だ。
真面目な人は、周りの人の言葉を信じて、辛い中でも頑張っててしまうだろう。

まずは周りの人たちのアドバイスでなく、『自分自身がどうしたいか』を見つめて欲しい。

もし、「辛くても乗り越えてみせる!」と思うのであれば続けてほしいし、「辛いから本当に辞めたい」と思うのであれば辞めて良いと思う。

自分の人生だから、何も遠慮することはない。

辞めると決めたのであれば、必要なのは『ほんの少しの勇気』だけ。
『今いる場所だけが世界の全てじゃない』ということを思い出してほしい。

今いる場所を抜け出せば、違う景色が見える。
それが、今の場所より、きれいな景色かどうかはわからない。

でも、人は生きている限り、自分の気に入った景色を探し続けることができる。

だから、まずは半歩だけ進んでもらえたらなと思う。

世の中の人たちが幸せな人生を歩めますように。

#わたしの転機

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